スプリントのふりかえりでは必ずアクションアイテムを出さないといけないのか
スプリントのふりかえりで何を達成すると良いのか考えた。
参考資料:こうしてふりかえりは終わってしまった / A Demise of a retrospective - Speaker Deck
アクションアイテム自体は目的ではない
ふりかえりで課題を見つける→問題に対するアクションアイテムを設定する→実行する→計測する→課題解決、はわかりやすい成果なので狙いたくなるし、それができるならやった方が良い。
ただ、労力(費用)に見合った成果が出ないアクションアイテムを頑張って作ったとしても意味がない。解決すべき課題がわかってないなら、当然アクションアイテムも作れない。
というわけで、当たり前だけど、「必ずアクションアイテムを出さないといけないのか」への回答は「出さないといけないわけではない」になる。
では、ふりかえりでは何をすべきなのか。
ふりかえりでも「合意」は大切
一般的に、ミーティングが会議では何らかの合意を取ることが求められる。ふりかえりでも大きくは変わらないと思っている。
例えば、
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誰かの思う課題をみんなが課題だと思えるか
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誰かの思う良かったことをみんなが良かったことだと思えるか
について議論ができれば良いと思う。
アクションアイテムは、そもそもチームメンバーが「これは解決すべき課題である」という合意を取ったから作成できるものである。
すべての意見をチーム内で一致させる必要はないが、例えば「このやり方はチームに合っている」とか「この仕事は上手くできた」という意見に納得できるかどうかは重要である。うまくいっているように見えて実は誰か一人に皺寄せが来ていた、となれば、色々話す必要が出てくる。
手頃な課題がなくなったら考え方を変える
ふりかえりをしてアクションアイテムを実行していくと手頃な課題は減っていく。ふりかえりで話すことがなくなってきたり、アクションアイテムが出にくくなったりする。
課題を見つけることは難しい。課題だと思っていないことが実はチームに負の影響を与えていたり、改善すると大きな成果が得られることに気がつけなかったりする。
簡単に発見できる課題を全部解決したならチームの成長の段階が変わったと考えて、問題ではなく改善できる点を探したり、中長期にわたって取り組む必要があることを考える方がアクションに繋げやすいかもしれない。
アイデア:ふりかえりにテーマを用意する
スプリントで起きたことを列挙していくふりかえりに飽きたら、何らかのテーマを用意してふりかえりをするという方法もあると思う。
例えば、「リリースサイクルを早める」というテーマであれば、早めることに繋がったこと、逆に遅める結果になったこと、という観点で出来事を解釈できる。
また、早めるにはどうすれば良いか、という切り口でアクションを考えられる。
このようにテーマを用意することで、思考を「過去に起きた問題の対処」から「改善につながる今やっていないこと」に向けられるかもしれない。
思ったこと
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「ふりかえり」という言葉から、過去に起こったことに対処するという考え方になるかもしれないが、チームの状況によっては未来に思考を広げることも大切
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アクションアイテムを絶対出す、と考えるとふりかえりで疲れる
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アクションアイテムが全然出ないと思ったら、未来方向に思考を広げる
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「ふりかえり」ではなく「むきなおり」っぽい