『思考・論理・分析 「正しく考え,正しくわかること」の理論と実践』を読んだ

日常用法的理論の本を読んだ.

公式:産業能率大学出版部 思考・論理・分析

かなり前から積んでいた日常用法的論理の本.普段なんとなく使っている「論理的」や「分析」の意味を定義していて,「なるほどね〜」という気持ちになった.「前提はなんだろう」「どのような論理展開をしたんだろう」という視点を持てるので,そのような考えに慣れてない人には特に良さそう.

分かることは分けること

第一章「思考」の部分で分かることは分けることであるという内容がある.

物事を識別するためには色々なものと比べることで差異を際立たせ,その物事特有の性質を理解しなければならない.比べる際には,どのような切り口で比較するかが重要となる.この切り口を列挙することが「分けること」で,複数ある切り口を用いて差異を際立たせることで「分かる」のだという.

そして,「分ける」ために以下の3つが必要であると述べている.

言われてみればそれはそうだけど,あまり意識しない部分.

因果補足の難しさ

相関には単純相関と因果があって,これを見極めるのが難しい.

本書では以下の3つの留意点を挙げている.

直接的連動関係についての例示は面白い.

「スピードの出し過ぎが事故の原因である」は一見正しそうに見えるが,スピードの出し過ぎが直接事故を引き起こしている訳ではない.

スピードの出し過ぎ→飛び出しに気づくのが遅れた→ブレーキを踏むのが遅れた→事故

のように,原因→結果の鎖がいくつも繋がっている.因果関係に働きかけて結果を変えるためには,複数ある原因を正しく認識することが必要である.

「人間がいなくなれば犯罪がなくなる」のような意見は,働きかける原因を間違えた例.

分析について

分析は,思考と同じように,情報を整理してなんらかの意味合いを得ることだと述べている.

分析の要件として以下の3つを挙げている.

目的があり,その上で必要な情報を集め,その情報から目的に沿った意味合い(結論)を見つけるのが分析であるということかな?.

最近聞いた,「データマイニングした結果を整理するだけだとアクショナブルじゃない」というのはつまり,「情報をまとめただけで意味合いが得られていない」ということか.

まとめ

関連書籍

http://www.utp.or.jp/book/b298898.html

こちらは記号をいじる方の論理学.ルールに従って式を変形させるパズル的なやつ. 「トマトが野菜であるなら、トマトサラダは野菜サラダである」が証明できるようになる.

演繹法や帰納法はこっちにも載っている.