小さく始めてコントロールできる範囲で問題を起こす
スクラムに関係した話第二弾。
前回書いた記事と似た話。
よりぬきスクラム(問題は起こる)
以下の記事を読んだ。
本稿では、開発業務以外にスクラムの要素を採り入れるために、私たちが行ってきたことをお伝えします。
スクラムのプラクティスを一部導入したという内容で、プラクティスをすべて実践するのではなく、意図的に一部分だけ実践しているらしい。
スクラムは「理解は容易、習得は困難」と表現されるように、そのフレームワークをまるごときちんと実践するのはとても困難です。また、いきなりスクラムをまるごと導入し、それがチームにフィットしなければ形骸化してしまう可能性もあります。ですから、まずは「できそうなこと、効果がありそうなこと」にしぼり、スクラムを「ひとまず、小さく始めてみる」のが重要だと考えています。
この部分はまさにその通りな気がする。実際、スクラムを導入しようにもいきなりすべてのプラクティスを導入するのは難しいので、できるところからやるのは自然に思える。
ただ、「できそう、効果がありそう」なものを始めるというのは、失敗せずに(問題が起きずに)ただうまくいくことをやる、と考えてはいけない。
前回の記事で書いたように「改善しようとすると一時的に悪くなる」「何かしようとすると問題が起きる」ので、大きく始めても小さく始めてもどうせ問題が起きる(ことがある)。
自分の言葉でいうと、小さく始めるということは「問題が起きてもコントロールできるし、良い効果が得られると思うから問題を解決しようとする」という状態を保ったままプラクティスの実践を進めるということで、「問題が起きずにスムーズに実践できて、ただ良い効果が得られる」ことではないと思っている(できたらいいけど)。
小さく始めてどこに向かう?
The Scrum Guide contains the definition of Scrum. Each element of the framework serves a specific purpose that is essential to the overall value and results realized with Scrum. Changing the core design or ideas of Scrum, leaving out elements, or not following the rules of Scrum, covers up problems and limits the benefits of Scrum, potentially even rendering it useless.
何かを変えたり要素を減らしたりすると、問題が発生したりスクラムの効果が制限されてしまうとガイドには書いてある。
自分は守破離を信じてやまないので、最終的にはフレームワーク通りにしたくなる。
また、『SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ』には「守破離」を実践しろと書いてある。基本を抑えてないのに応用や適合はできないでしょ、と思っているので
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小さく始める(守を進める)
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フレームワークを実践する(守の実践)
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チームに合わない部分を変化させる(破の実践)
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スクラムにとらわれずチームを改善する(離の実践)
といった順序を踏みたくなる。理想は。
実践するのは目的ではない
プラクティスを実践することそのものは目的ではないので、そこに注目しすぎると良くない。ただ、目的のためにプラクティスは正しく実践した方が良いと思うので、どこまでやるかをあらかじめ決めておいてそこに向かうのがいいかもしれない。